粋を楽しむ。
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「できることをできる範囲でやる」
毎日通いたくなる安心感。店主の人柄に癒されるほっこり昼そば
[赤坂]江戸清
東京都港区赤坂7-10-8
営業時間11:00~15:00 定休日:土・日・祝
めまぐるしく変化する赤坂のビジネス街で、長年のれんを守ってきた「江戸清」。そばはもちろんのこと、うどんに丼もの、カレーやラーメンまでメニューに並び、そのすべてがハイレベルだと評判のお店です。店主の八子浩さんにお話を聞きました。
・二八そばののぼりがはためく。現在はお昼だけの営業 。
まずはお店のお話から
── 今日はよろしくおねがいします。こちらのお店は、開業して何年くらいですか?
八子氏(以下 敬称略):えーっとね、私が生まれた年だから……69年。
── すごいですね!じゃ、こちらのお店はもともとお父さまが?
八子:そうです。
・店内には小上がりもあり、落ち着いた雰囲気。
── 何歳の時にお店に入られたんですか?
八子:えーっと27、8の頃かな。それまで勤め人やってましたから。
── なんの会社で働いてたんですか?
八子:銀行行ってました。
── そうなんですか!! それでどうしておそば屋さんを継ごうと?
八子:ま、しょうがないかなと。(笑)
── (笑)お父さまは喜ばれました?
八子:いや別にそうでも。(苦笑)
いいそば粉は使わない!?
・夏メニュー冷やしたぬきそば。たっぷりあげ玉と大きな卵焼きがうれしい。
── こちらの二八そばの特長、こだわりを教えてください。
八子:そうですね、あんまりね、いいそば粉を使わないってことかな。
── え!?そ、それはなんでですか!?
八子:いいそば粉使ったら、高くしなきゃなんない。まあいろいろ聞いてね、いいそば粉使って出したこともあるんだけど、お客さんがあんまりわかんなかったんだよね。(笑)
── (笑)
八子:それでね、なるべくおいしいね、納得いくような粉であればね、多少ランク落ちてもいいんじゃないかと。
── なるほどー。そばってそもそも、庶民の食べ物ですからね。
八子:国産のそばがどんどん取れなくなって、非常に高いものになってきたので。今はオーストラリアとかタスマニアとかいろいろあるけど、うちは金額を見ながら国産と内モンゴル産をブレンドして使ってる。
この価格でこのこだわり
・かなり本格的なビーフカレーと、そばのセットメニュー。
── メニュー見てびっくりしたんですけど、赤坂なのにすごく良心的なお値段ですよね。
八子:そんなに儲けるつもりない(笑)
── えー!?それはまたなんで……
八子:高くして、それなりのもん作れば売れるんだろうけどね。もともとうちは、そばだけじゃなくて丼もあるしカレーライスもあるし中華麺もやってるし、うどんも全部自家製で作ってるから。
── え!全部自家製なんですか!?実は事前にネットで口コミを調べたんですけど、ラーメンとカレーの評判もすごくいいですよね。
八子:昔っからやってたことをやってるだけなんで。そば屋って言ってもそばだけじゃなく、なるべくおいしいもの出して、お客さんに喜んでもらえればね。できる範囲でね、できることをやっていこうって感じなんですよ。
そばとイベリコ豚!?
・甘いたれとイベリコの脂が、ごはんにからむ魅惑の味。
── こちらのメニューの中に、イベリコそばとイベリコ丼があって不思議だったんですけど、なかなかおそばでイベリコ豚ってないですよね?どうしてこのメニューを開発されたんですか?
八子:イベリコはオレイン酸が入ってて、脂が甘いんですよね。なおかつ健康にいいと。それで出してみようじゃないかと。おいしいですよ。イベリコ丼も美味しいし。
── のちほどいただきます!
八子:まあ、そばで一番代表的なのはもりそばで、そば屋としては、本当はこれで勝負するのが一番なんです。でも結局ね、ちょっとでも油入れたら、なんでも大体おいしくなっちゃうんですよ、これが。実は(笑)
── 真理ですね!(笑)
・常連さん用の裏メニュー。ここでも揚げなすの油が利いてます。
8じゃなくて7.5?
・箸袋のイラストは、なんと店主が自ら描いたものだそう!
── おそばの太さがすごく細くて、のどごしが良くておいしかったです。この細さもこだわりなんでしょうか?
八子:東京のおそばって大体コシをちょっと作るんですよね。まあでも結局できる範囲でやると。段落
── なんかでも、できる範囲が広いですね笑
八子:結局そば屋っていうのは全部自分のところで作ってるから、かえしの作り方だって、みんなに聞いたらみんなちがうから。
── ひとことで「二八そば」と言ってもそれぞれのお店で全然ちがいますよね。
八子:ホントはね、二八よりも7.5くらいが一番おいしい。みんな自分のところで、このつゆにあってるのはこれくらいの割合って作ってる。麺類組合では二八をすすめてるけど、うちは7.5がおいしいよ。(笑)
・奥さまと従業員の方と一緒に。いつも3人でお店を切り盛りされています。